リョウタロス

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【ぼっち合宿免許日記】第11話 僕は蕎麦 301109

今日はいつもとは違った。

昨日受けた効果測定に落ち、2回目の受験を本日9:00に控えていたからだ。

 

追い詰められないとやらないのは僕の悪いところだ。

7:00に起きて、準備をして、ホテルを出る前に30分ほど勉強した。

 

そして悠長に飯を食う時間はなかったので、ここにきて初めてヴィドフランスではなく、ホテルでクリームパンとミルクデニッシュ、野菜ジュースのコンボをキメた。

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こちらがラインナップ

音楽を聴きながら歩いて教習所へ向かう。

この道ももう何度も通っている。

 

かれこれもうここへ来て11日目。

今日を終えれば丸二日と半日で新潟ともおさらばだ。

そう考えると少しさみしい。

いやオレは帰るんだ。

帰れるかは最終日の卒業検定にかかっている。しかし緊張することは何もない。なぜかって今までできていることだからだ。仮免の時もそうだったが、新しいことは何一つないのだ。どれも練習でできているのだから、その通りにやればいいだけのこと。緊張はするが、問題はないんだ。

 

そして威勢良く効果測定を始めたがなんと89点で不合格となる。(笑)チャンスは後二回。次は3回目、そして4回目からはお金がかかる。とんでもない。そして延泊。そんな不安がよぎった。

僕はこのまま合格できないんじゃないか。こんな新潟で、たかが車の免許の交通ルールのテスト勉強もまともにできないなんて。

 

不安を取り除くため、受付へ向かう。追加料金は構わない。問題はお金じゃないんだ。延泊だけはしたくない。早く帰りたい。ここは日本だぞ。3週間アジア一周をしてた夏休みとは訳が違う。

 

「あと一回でおわり」と彼は言った。

後一回受ければ僕はそこで3回を受験したことになり、4回目からは料金かかるということではくて、終わりなのか、それは延泊を意味するのか。

僕は怖くなった。

 

「だって君合宿でしょ?」彼はにやけ顔でそう言った。

その後に何が続くのか僕には想像できた。そう一時帰宅だ。この試験に3回不合格になった暁には、地元に帰り、そこで試験を受け、合格すればまた新潟へ来ることができ、そこでまたこの合宿が再開されるという流れだ。

しかし彼はその予想の斜め上をいく発言をした。

 

「だって君合宿でしょ?合宿の人は3回受けたら、合格でも不合格でも、みんなと一緒に卒検受けて、受かって、いえーいってやって帰れんの」僕にはどう言うことかわからなかった。

 

「そうだよ、だってこれは新潟の傾向に合わせて作った本免用の問題だからね。だから県外の人は3回目以降は受かっても受かってなくても関係ないよ〜」

 

僕は何が何だかわからなかった。じゃあ今までの勉強は、昨日の夜のあの不安は、、、いや無駄なわけがない。どうせオレも地元に戻ったら本免を受けなくちゃいけないんだ。だけどなんだろう、この損した感じ。「ありがとうございます」そう言って受付を後にし、学科教習へ向かった。内心ホッとしていた。

 

午前中は主に危険予測についてだった。

3人1組でグループになり、まずはシュミレーターを使い、次の時間はお互いの運転を実際に後部座席に乗り、見て、良い点悪い点、自分の運転との違いなどを書き留め、次の時間でそれを発表しディスカッションするという内容のものだ。シュミレーターとはまあゲームセンターにあるマリオカートのようなもので、小さい子供が角から轢かれに出てきたり、バイクが左折、右折時に巻き込まれにきたりといったシュミレーションをしてくれるマリカ式のものだ。

 

この授業は24才のニートと22才のおかまちゃんと3人で行った。このおかまちゃん、別におかまだという訳ではない。

 

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この有名なだまし絵をご存知だろうか。

トリックアートとも言う。

 

この絵はおばあさんに見えるという人もいれば、若い女性に見えるというひともいる。

 

数日前の何かの学科の授業でこの絵が取り上げられ、先生は生徒に何に見えるかと聞いた。

一人の生徒が「おばあさんに見える」と答えた。

先生はおかまちゃんに何に見えるかと聞いた。

そして彼は

 

「ええ、なんすかね、じゃあおかまかなー」そう答えた。

 

先生的には若い女の人にも老婆にもみえるという、錯覚の話をしているのだが、彼の頭の中では、先生が前に答えた生徒の「女性」という回答を否定し、自分に質問したのかと捉え、女じゃないならおかまか。ということを言い出した。

 

僕はその時彼を天才かと思った。あらかじめあの絵を知っていたからこそ、あの絵はだまし絵であり、一方は若い女性でもう一方は老婆だとわかったが、初見であればそういう回答をしても何も不思議ではない。

 

そんなことから黒ずくめにマスク、タンパル、腕には金のウブロの時計をしている彼には惹かれていた。

見た目はヤンキーだが、チェックの中学生みたいな靴下を履いているところと、ぴかぴかひかるおそらくフェイクのウブロの腕時計は可愛かった。

 

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三時間続けての学科を終えて、食堂にて生姜焼き丼をKと食う。

Kはチキン南蛮丼を食べていた。

 

ここへきてようやく可愛い雰囲気の女子がちらほら出てきた。きている服屋身につけているものでファッションへの興味関心が一目瞭然なのは資本主義の良いところでも悪いところでもある。

しかしそういった見た目の問題ではないのが人付き合いだ。

Kも可愛いと思う子がいたらしい。しかし僕たちと可愛い子たちの時間は授業やこの食堂で重なっても一体なんの意味も持たないのだ。

 

午後は二時間空いてから学科と実車が続いている。

その二時間の休みで、疲れからKと散歩をした。

 

コンビニで速攻元気 アミノ酸&ローヤルゼリーかます

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教習所の前には大きなバイパスが流れていて、その向こうには大きなレンタルビデオ屋『メディアパワー』がある。

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看板にはレンタル&セルと書かれている。セル…。僕とKはその中に入った。

 

入り口でなぜかリュックをロッカーへ預けるシステムになっていた。僕は6464の4桁の安直な暗証番号を入力した。ここから出る時、僕はなんで4545にしなかったのかと自分を攻めることになる。

 

古本の販売から、DVDのレンタル、そしてなぜか駄菓子の販売をしていた。昔駄菓子屋になりたいと思っていた時期があった。小学生の時だ。そしてこのレンタルビデオ屋の二階には巨大なアダルトビデオの中古市場と新品市場の二つの市場が広がっていた。僕はKの批評を聞きながらその売り場を一周した。まあここでの詳しい描写は省略したい。

 

そして一時間ほど時間をどうにか潰し、また教習所に帰り、ベンチで座って時間が流れのを待った。

 

ココ何時間かは授業中うとうとしてしまう。しかし自ら寝る姿勢を作るのと、座っていながらうとうとしてしまうのとでは差があるはずだ。オレは後者だった。

 

教官はそんなオレにもしっかりハンコをくれた。僕は感謝した。

 

それから一時間実車走行して、本日二度目、3回目の効果測定にのぞんだ。1時間ほど勉強し、結果は93点。ギリギリ合格だった。1回目は90点が最低ラインだが、2回目からは93点が合格ラインとされていた。勉強しなくても、効果測定に合格しなくてもなんの問題もなく卒業はすることができる。少し甘えが出たが、一応しっかり合格して卒業できることは嬉しかった。

 

Kが終わるのを伊藤計劃の暗殺器官をみて過ごし、一緒にバスで帰った。

 

今日はうどん屋さんで夕食をとることにしていたが、メニューにそばがあったので申し訳ないが席をたった。店員さんは、別で茹でることもできます。と言ったが、ならば普段から別にはしていないということ。あたりまえだ。気を使っていただいたが、何かあるとこまるので、Kに謝っていちばんへ向かった。Kは良いよと言っていた。

 

僕がこの新潟の教習所を選んだのには大きな理由があった。それは食事だ。自動車教習の斡旋サイトにはランキングがあった。一位は長野県。食事は三食出るし、それは安心だと母はここに決めたが、入校をいざ決めると言う時に食品アレルギーを聞かれ、そばと伝えると教習所斡旋センター(仮)の方からそれなら長野はやめたほうがいいのではと打診があった。長野はお蕎麦が有名である。代替案として提案されたのが新潟だ。この教習所は提携している飲食店から好きなものが食べれるし、母もそれは安心だと思ったようだし、僕もまあ1位ではないが、4位でも同じようにホテルに泊まれるし大差ないともった。それに二郎もある。

 

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話を元に戻すと、そういうわけで、いちばんで野菜炒め定食を食した。昨日の18才の訳のわからない少年が「オレ、何やってもダメなんすよ」とか突然言い出すメンヘラだったとか、60のおっさんがここにいる理由が、飲酒運転して、信号無視し免許剥奪、二年の停止期間?を経て再び免許を取得しにきている。だとか、Kが今日得たネタを聞きながら飯を食った。

 

それからホテルに帰った。