【ぼっち合宿免許日記】第12話 眩しい 301110
7:00に目が覚める。
この合宿は14日間。
今日はそのうちの12日目だ。
9:00〜三コマ続けて救急救命の学科が入っている。
12:00に終了し2コマ空いて、14:00~16:00まで高速走行、またまた2コマ空いて18:00~実車というまあまあ鬼畜一日教習所生活だ。
そんな中でもいかに楽しむかという精神が良い一日を作る。
「いつでも今日がいちばん楽しい日」という言葉がある。漫画『よつばと』のキャッチコピーだが、友人がこの言葉が好きと言っていて知った。
そう。どんな日でも、必ず、いや必ずかは知らないが、必ず楽しむ抜け道があるはずだ。まあこれも一つのライフハックだと思っている。
そんなこんなで8:00過ぎにホテルを出る。
教習所からの朝飯の選択肢は三つ。
おなじみヴィドフランス、ホテルの菓子パン2つとジュース、そしてマック!いやいや朝マックってなんだよ、と思っていたが、せっかくなので今日はマックへ行く。
マックではソーセージマフィン、チキンクリスプマフィンのどちらか、そしてハッシュポテトかアップルパイ、ドリンクMサイズの3点だった。
あーという感想。
8:30のバスに乗るまで映画『ハーモニー』を見た。
昨日は『虐殺器官』をみた。伊藤計劃。既に亡くなっているが、彼がまだ生きていたら一体どんな作品を発表していたか。
僕にとっては新鮮な内容でいてなにか哲学めいたものさえ感じさせる伊藤計劃は友達にオススメしたい作品だ。あ、友達はいなかった(笑)
Qooを飲み干し、バスで教習所へ向かう。
救命講習では人工呼吸のやり方やAEDの使い方を教わった。
三時間、教官がまあクセのある人である意味飽きなかった。
この人の授業は何回受けただろうか。教官は全員ではないがめちゃくちゃクセが強いので、また街ですれ違っても思い出すと思う。
この新潟での二週間は流石に忘れないと思う。いままで友達とした旅行とは比べ物にならない。
そんなわけで昼12:00。
2コマ空きがあるのでKと現地で合流し、新潟駅近くのドンキホーテの2階。政家というお店でタレカツ丼をいただく。
まあまあうまい。カリッともしているが、タレがしみているという絶妙な食感。
天丼のご飯のように甘いタレのしみたご飯も美味しくいただいた。お味噌汁はアオサのお味噌汁でおかわりもした。それからまた歩いて教習所へ戻り、休憩。
高速教習までにハーモニーを見た。
harmonyは虐殺器官と同じ時間軸の物語とネットには書いていたが、虐殺器官ほどわかりやすいものではなかった。単に僕の頭が悪いのかもしれないが、単純に内容が深過ぎて、2時間の映画の中では説明しきれていないんだろう。原作を読みたくなった。
作品を見終わっても、自分の解釈だけでは十分ではないことがわかるのはいつまで続くのだろうか。解釈学というものがあるらしい。大学の先生が言っていた。
高速走行はニートくんとおかまくんと行った。
僕は高速道路を40キロ走った。100キロ出すのは初めてだったし、加速もまあ大変だった。100キロでのハンドル操作が大きすぎたら大事故になるというのは学科通りで少しのハンドル操作で進路変更できた。
空き時間には続けて『屍者の帝国』を見始めた。
これまた面白かった。しかしこれがある理由で原作とは違った内容で映画が再編されていた。面白い。
僕はいつも映画を見るときは人の感想は面白い以外聞かないし、あらすじも見ないようにしているので多くは語らない。
伊藤計劃三作品をみたわけだが、虐殺器官、屍者の帝国、ハーモニーどれもいづれあり得そうな話だった。時代設定的には死者の帝国は未来の話ではないが。
最後に実車を1時間乗ってKが終わるのを待ってから定食屋いちばんへ。
今日も野菜炒め定食をいただいた。少しオイリーだがマジでうまい。キャベツ、もやし、きくらげ、そして緑の野菜。うまいんだなーこれが。
いつかまた新潟にきたときは友達や彼女と一緒にいちばんに行きたい。もちろん僕は野菜炒め定食を食べる。彼らにはオススメはしない。だってオイリーだなってKも言ってた。からウケが良くないと思う。
もちろん運転で行きたい。免許を取ることで世界が広がるとは思う。これから大学を卒業して、会社に就職して、どんな世界なのか。どんな人と付き合って過ごして行くのか。付き合う人によって人生は大きく変わると思う。付き合うって女だけじゃない。友達だってそうだ。人間関係は凄まじい影響力があるとおもう。だから僕は会った人の好きなものを極力吸収したい。